今日、地鎮祭が行われた。
宮司さん来る。
「非科学的なことは信じない」
と、M氏は言うかもしれない。
しかし、ソコに神様が降りてきて、
お供物をムシャムシャお食べになられて、
そして帰っていくのである。
施主さんが担当する分野、
設計屋が担当する分野、
工務店が担当する分野、
神様が担当する分野と、
ヤハリ建築は一人の力では成し遂げることが出来ないものである。
共働きの家庭に育ったワタクシの記憶を辿っていくと、
家の記憶と言うのは祖父母の家が深く寝ざしている。
狭く、暗いけど包みこむように囲まれた中庭。
ブリキでできた手摺のない2階のバルコニー。
いつ落ちてもおかしくない。
なので、簡単に平屋部分の屋根に上り、ソノ中庭を一望出来る。
天気のいい日は太陽に熱っせられた瓦の屋根ではくつろぐことは出来ないが、
陽が落ちれば夜空を見上げ、夢見ることが出来る。
そんな記憶にひきずられたからなのか、
家人に背中を押されたからなのか、
少年じみた記憶の中で、
屋根の上に上がれる家の工事が始まろうとしている。