未完の空間
『ノイエ・ルイーナ(新しい廃墟)』が再び動きだしました。
この空間は、忘れられ朽ち果てていくタイプの「廃墟」というよりも、
意識的に破壊された「廃墟」である。
「廃墟」はタブーとされていたが、
今、にわかに「廃墟ブーム」が起き、
様々な写真集が本屋に並んでいる。
建築家として最初に「廃墟」を意識したのは磯崎新で、
写真家としては宮本隆司ではないかと思う。
時はバブル期の真っ只中。
その写真集は衝撃的だったに違いない。
たかが数十年前の建物がこんな姿になるのか?
なぜ、これほど無残な姿になり得るのか?
なぜ、怖いのか?
なぜ、これほどわれわれを魅了してやまないのか?
メンタリティーは複雑である。