『ノイエ・ルイーナ』をプロデュースするのはDamda!
もともと、Damda!のK氏とは家具職人のF氏を介して知り合い、
甚九郎稲荷の境内に建つ、築50年にもなる廃墟、
いや上之町會舘を紹介してもらった。
それで、去年の夏からこの廃墟、
いやいや上之町會舘に事務所を構えることになった。
そんなつながりで、この空間づくりのお手伝いをさせてもらうことになった。
この空間(ノイエ・ルイーナ)を解体した直後(4ヶ月前)に行われた、
『廃憶の日々』というダンスライブ(M-laboratory)を見に行った。
「解体されたばかりの何もない空間で、何をどう表現するんだろう?」
ところが、ライブが始まるとその光景に僕は釘付けになった。
深閑とした中、椅子に座りわずかな顔の表情と、
首をゆっくりと不規則に回す黒いスーツを着た一人の男。
どこからともなく聞こえてくるバイオリン。
鏡に写ったもう一人の男。
陽が落ちる微妙な時間に創られた、自然光による舞台照明。
黒いスーツを着た8人の男が動くには決して広くない空間だが、
計算された動きがこの空間を包み込んだ。
初めは『身体表現』よりも『劇場空間』に興味があった。
が、だんだんと
「身体表現というものは、建築への挑戦・挑発ではないのか?」
「なんて建築とは不自由な表現方法なんだ!」
そんな『身体表現』の嫉妬から、さまざまな感情が渦巻いていた。
しかし、ライブを見て思った。
「そんな概念なんてどうでもいい。」
「五感を使って感じよう。」
そして、『身体表現』に畏怖の念を持ちつつ、
適度な距離を保ちながら建築自身を解放していけば、
面白い空間になるだろう。