午前中はノイエルイーナ の現場で軽く汗をかいた。
午後は図面を描いた。
ふと思う。
ミース のように、高層マンションやオフィスを
ビジネスライクにこなして建築家を終えるやり方もいいが、
修理専門の大工になって、
自分の建てた家を歩いてまわり托鉢のような生活をおくる、
というのも一つの生き方でもある。
とてもニッポン的な「あがり方」だと思う。
§
孫の世代になり、あるいは家人が変わっていたりして
「この汚い乞食は誰!」と大騒ぎになる。
よく聞くとその家を設計した人だという。
風呂を浴びさせてもらい、温かい食事でもてなされ、
設計当時の思い出話しを孫たちに聞かせる・・・。
しかし、家によっては「お前の顔なんか見たくなもい!」
と門前払いを受けたりもする。
仕方なく家の前の落ち葉を掃除し、
頭を垂れ、次の地へと向かう・・・。