「冬の寒さは大丈夫ですが、夏の暑さは苦手なんです。」
ご主人が言ったこの言葉。
実は『徒然草』の中で
「家の作りやうは夏をむねとすべし。
冬はいかなるところにも住まる。」
冬はどんな家にも住めるが夏の暑さだけはどうにもならない
と語る吉田兼好。
さらにこう言っている。
「深き水は涼しげなし、浅くて流れたる遥かにすずし。」
敷地の奥を流れる水を取り込み、
夏をどう過ごし、
遺跡からほど近い場所にあるこの地をどうすべきか、、、
今のところここの家族が
この水に足を入れて涼んでいる風景だけが浮かび上がる。
つい歴史に目を向けてしまうのは、
曲がりなりにも建築史の研究室にいたからなのか、
この地が弥生時代の歴史を背負っているからなのか、
そして未来にも目を向けたらどうなるのか、、、