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『日和下駄』
先週末、検査のため米子へ行く。

短時間ではあったが検査後くつろぐことが出来た。

設計のおかげだと自画自賛したいところだが
この雰囲気はココの家人が造り出したものである。

庭に植えたいささかの緑が芽吹いていて、春を感じる。



土日はプレゼンのため高知へ、、、
初日の打合せもスムーズに終わり、高知の街を練り歩く、
とにかく歩く、、、



翌日、午前中は現在工事中の家人と詰めの打合せ。

午後はプレゼン。


『日和下駄』_c0151418_9341031.jpg
  道路から敷地へ足を踏み入れると
  壁に導かれながら引き寄せられる。
  人は立ち止まり、
  いくつかのアプローチに戸惑い
  向きを変えたりすることによって
  光、風といった自然の動きなどを感じ、
  立ち止まった刹那に様々な想いが交錯し
  見えないものが見えてくる。
  人が歩みを取るにつれ
  建築や自然の表情、人の想いが変化し展開してゆく。




暗黒舞踏家の土方巽は、
舞踏とは
『日中、路地から路地へ陽だまりの中を歩きに歩いた男が
夜、突如その体験の淀みを形にし始めるものだ。』
と、言っていたのを記憶している。


つまり、路地を通り中庭でよさこいを踊っているこの家の家人、
その仲間たちが目に見えてくる。
いや、見えないものが見えてくるというのは
こういうことではないのだと仕切り直す。



板や竹の垣根があって、
庭はそう広くないがそこに面して小さいけれど縁があって
そこで誰かがお茶を飲んだりしているのが見える。

電球がこうこうと光っていて
茶の間に広げられた夕食の仕度の匂いが
プーンと路地まで匂ってくる。

庭先の沈丁花だろうかやさしい花の匂いもそれに混じっている。

そんな風通しの良かった家や街の風景が見えてきそうである。


これはどうだろう、、、昭和の匂いだね。



なんてことを帰りの汽車の中で誰かの弁当の匂いを嗅ぎながら書いている。

五感が刺激される。
by kta-room | 2009-04-13 09:36 | 「路地を通る家」
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